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姿勢は次第に浅くなり、離脱近くは水平飛行となるような姿勢を十分に体得する。失速が発生しても、ただちにきりもみになるわけではない。なぜならば、失速にはいると沈みが大きくなり、そのため曳航索の張力が減少し、翼荷重が小さくなるため、失速から脱出する。脱出すると元の状態になるから、また失速が起こる。これが繰り返されて、3−40図のBのようになり、結局、獲得高度は十分には得られない。失速時の状態としては、機体全体から出るバフェッティング、方向の不安定、舵圧の減少一…等がある。

 

B 飛行区域の安全速度
この飛行区域での事故は、技量がある程度向上した人の自信と高度獲得欲が原因である。離脱高度を多少なりとも高めようとするのが、危険に近づくわなとなる。機体がB飛行区域にはいると、曳航索の張力と機体の重量との合力が同じ方向に近づくので、索の破断強度まで索をひくと、機体の重量と加算され、3倍の荷重が翼にはたらくことになる。このため、最近の西ドイツのヒューズは、1.3倍で破断するよう規定されている。現在の方法では、合力が最大のときは、グライダーの全備重量の1+1.3倍近くになるとすると、このときの曳航速度をVwとすれば、

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となる。この式から考えられることは、かりに迎角が変化しないで、この式中の揚力係数CL変化しないと仮定すると、

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となる。たとえば、CLmax、すなわち、Vs1近くの迎角で飛行中、そのまま曳

 

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